機械学習クラウド:ビッグデータ(センサデータ)解析におけるJubatus活用事例

みかん栽培に機械学習技術を応用
ビニールハウスの温度管理・空調設備の異常検知を自動化

センサネットワーク事業を展開する住友精密工業株式会社と弊社は、検索・データ解析技術の先端的企業である株式会社Preferred Infrastructureの協力のもと、みかん栽培農家のビニールハウス内温度管理データ、空調設備機器データ等の分析にビッグデータのリアルタイム分析・機械学習技術を活用し、異常検知を高度化する検証システムを構築しました。
これまでのビニールハウスの温度管理機能等は、観測した温度と設定したしきい値と比較して、異常を自動的に検知し、生産者や管理者にアラート(警告メール)を自動的に送信するのが基本的な仕組みとなります。この従来の方法は、季節毎、ビニールハウス毎等に応じた柔軟なしきい値設定ができないことから、異常検知の精度を高めることが困難となっていました。
一方、このたびの検証方法は、ビニールハウス毎の年間の観測データを対象に、季節毎の異常をコンピュータに学習させ、その学習データと類似度の高いデータから、異常を検知することが可能となります。これにより、季節毎のしきい値を自動的に設定し、ビニールハウス毎の環境に応じた最適な環境をつくることが可能となります。

センサデータに代表されるM2Mデータは、リアルタイム性が強く、大規模なデータの中から、因果関係分析や状況に応じた予測・判断などの深い解析を必要とすることから、ビッグデータの分析基盤には、「Jubatus」を採用しました。
分析手法には、データの集合体から外れ値を自動検知する「Anomaly」(Jubatusの外れ値検知機能)を使うことにより、大量データの中から、異常値を自動的に検知し、その学習成果に基づき、「Jubatus」が新たな観測データから異常を検知しました。さらに、月毎に異なる異常値の検知にも成功しました。

住友精密 × Preferred Infrastructure × Briscola
ビッグデータのリアルタイム分析基盤を活用し、センサデータ機械学習検証システムを構築

本プロジェクトでは、農業以外の他分野への応用展開も視野に入れて、次の2点を目標に検証システムを構築しました。
・異常を機械学習によりモデル化し、その結果により異常検知の自動化の精度を高めること
・他分野での検証が可能な、汎用的でかつ使いやすいデータインタフェースを構築すること

このたびの検証結果を踏まえ、検証対象、分析アルゴリズムを増やし、異常検知の精度向上を高めていく予定です。今後のステップとしては、以下を予定しています。
・ビニールハウスの温度設定は、作物の生育ステージに沿って行われます。このステージに沿った正しい温度カーブを機械学習することにより、より厳密な異常検知を行えるようにします。
・ビニールハウスでは、加温のための燃料費などの高騰が問題となっています。外気温なども解析の対象に加えて、最適(省エネ)な加温方法を発見できるようにします。
・回帰分析アルゴリズム(Jubatusでは、Regressionというアルゴリズムを提供)を用いることにより、結果としての異常値「検知」ではなく、近い将来の異常値「予測」を試みます。

センサデータ解析におけるJubatus活用事例 [講演資料]

Slideshareサイトに住友精密工業 センサネットワーク事業室 宮本哲様の講演資料が公開されています。
センサデータを活用したビッグデータの解析にご興味のある方は、是非ご一読ください。
URL:センサデータ解析におけるJubatus活用事例

ビッグデータのリアルタイム分析基盤「Jubatus」とは?

Jubatus(ユバタス)は、NTTソフトウェアイノベーションセンタと株式会社Preferred Infrastructureが共同開発しオープンソースソフトウェアとして公開しているビッグデータ向けのリアルタイム分散機械学習基盤です。Hadoop等がバッチ処理型のビッグデータ処理を主体とするのに対し、リアルタイムかつ分散実行可能な機械学習アルゴリズムを備えているのが特徴となります。
Jubatusの名前の由来は、俊敏な動物であるチータの学術名から命名されています。
URL:Jubatus


Last Updated on Thursday, 6 Nov 2014 08:14